HSPアロマセラピストの香りある暮らし

最近話題のHSP。5人に1人の敏感な心の持ち主、人一倍感じる力が強い気質の目線から香りと日常の暮らしをゆったりとお伝えします。

大原で出会った香り

大原と言えば、しば漬けで有名。バスを降り、畑一面に育つ赤紫蘇の前に立つと
あの独特の香りが漂ってくるものと思っていたら、意外と香らなかった。(マスクをしていたせいもあるが……)香りの強い青紫蘇は薬味などのアクセントに使われ、赤紫蘇は色素を有効に使い梅干しや紫蘇ジュースに利用される。夏バテに飲むと良さそう。我が家は毎日は飲まないだろうと思い、今回は買いませんでした。大原では800年もの間、シソは山間で隔離して栽培していたそうです。
シソの特徴成分である「ペリルアルデヒド」は強い抗菌作用・防腐効果があり、大原産のシソは一般のものよりその成分を6割も含むというデータがあります。隔離され、手塩にかけて育てられた大原の紫蘇ジュースのレシピが門外不出と言われるのもわかる気がします。飲まなかったことを後悔……。

そして大原の名物、赤紫蘇より香ったのがクチナシ。今の屋号の前はガーデニアとつけるほど、お気に入りの香りです。ちょうど6月半ばから今頃が見ごろの甘い芳醇な香りを放つ清楚な白い花。
和名のクチナシは「口無し」という意味で、果実が熟しても裂けないことに由来するといわれています。果実は黄色の染料として用いられ、現在も天然着色料として使われています。恥ずかしながら染料に用いられることを知ったのが最近で料理教室でさつまいもの色付けに使った時で、香りの印象も強くありました。
精油としては市販品が市場に出回ることはほとんどありません。香料素材としては人工的に調合されてクチナシ(ガーデニア)調の香りとして売られているようです。
その成分はラベンダーにも多く含まれる酢酸リナリル(別名リナリルアセテート)。
交感神経の緊張を押さえ、副交感神経の活動を促進します。 その為、鎮静作用、神経バランス調節作用、鎮痛作用、鎮静作用、血圧降下などの作用が期待できます。
女性ホルモンのエストロゲンの減少による更年期障害においてもこの成分はエストロゲンの分泌を促進するという報告もあげられています。
そしてジャスミンやイランイランの成分に含まれる酢酸ベンジル。興奮作用、鎮痙作用、鎮静作用、抗炎症作用に有効とされているが、虫を寄せ付けるフェロモンの一つのような官能的な媚薬のような香りにまんまと魅せられ引っかかってしまいました。自分が虫だったらイチコロというわけです。
しかしクチナシの香りには毎年この時期に魅せられるのが不思議……。


今回は紫蘇とクチナシの香りに出会い、その成分についてお伝えしました。
次回の旅でも出会った香りについてお伝えしようと思います。